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すべての経験が、力になる

2026.03.04

失敗も、寄り道も、無駄にはならない

もう一つ、
祖父が製図台に取り入れた技術があります。

トーションバー。
ねじりの力を使って、
角度調整を助ける仕組みです。

このヒントは、
フォルクスワーゲンの
「かぶと虫」から得たものでした。

こうした発想の根底にあるのは、
特別な才能ではありません。

夜も日も考え続けること。
視点を変えて、
違う角度からモノを見ること。
そして、
普段からアンテナを高く張っておくこと。

祖父自身、
車好きが高じて
一度は商売に失敗した経験をしています。

けれど、
その「車を分解しては元に戻す癖」こそが、
後年、
製図台づくりを支える
大きな財産になりました。


経験は、どこで活きるかわからない

人の経験というのは、
そのときには
遠回りに見えることがあります。

失敗だったと思うこともある。
寄り道だったと感じることもある。

けれど、
それがいつ、
どこで、
どうつながるかは、
誰にも分かりません。

製図台の開発を通じて、
祖父が実感したのも、
そのことでした。


次のフィールドへ

やがて、
製図台で培った
「軽く動かす」「安全に支える」「無理なく操作する」
という考え方は、
別の分野へと向かっていきます。

それが、
医療や介護の現場でした。

次回は、
製図台づくりで磨かれた技術と思想が、
どのように
医療・介護分野へつながっていったのか。

その入り口について、
書いていきたいと思います。